ファンダメンタル投資とテクニカル投資の違い〜お金の授業No.12〜

お金の授業:No12「ファンダメンタル投資とテクニカル投資の違い」

ファイナンシャル教育が身に付いている人は、そのビジネスや物件がどれくらい賢く運営されているかを知りたいと思っているのだが、その判断は、その対象の財務諸表を分析することによってのみ可能になる。

銀行があなたの財務諸表を要求するのは、あなたが自分の経済状態をどれくらいうまく管理できているかを知りたいからだ。収入と支出のバランス、キャッシュフローを生み出す資産やキャッシュフローを失わせる負債の数を、短期的にも長期的にも把握しようとする。だからあなたも、どこかの企業に投資するなら銀行と同じことを知る必要がある。この企業の財務実績を分析して投資する手法を「ファンダメンタル投資」と言う。

一方、チャートから市場のセンチメント(感情)や空気を推しはかって投資する手法のことを「テクニカル投資」と言う。チャートが重要なのは、主に何かの売買価格、例えば株式や、金や石油などのコモディティ(商品)について事実に基づいた変動を示しているからだ。

右肩上がりのチャートは価格の上昇を示しており、市場に現金が流れ込んできていることを意味している。お金が流れ込む市場は「強気市場(ブル・マーケット)」と呼ばれている。逆に、右に行くほど加工しているチャートは、市場から現金が流出していることを示している。こうした市場は「弱気市場(ベア・マーケット)と呼ばれている。

ファイナンシャル教育のある投資家はまた、現金がどこから流れてきてどの市場に流れ込んでいるかと言うことも知りたいと思っている。例えば株式市場が暴落して人々がおびえていた時、たくさんのお金が金(ゴールド)市場に流れ込んでいた。この動きが予想できていれば、誰よりも先に自分のお金を金(ゴールド)市場に移動させることができる。

誤解しないで欲しい。ファイナンシャル教育が身に付いている人は価格、つまりキャピタルゲインを得ることを目的にお金を動かしているのではない。彼らがいつも自分のお金を動かしていたいと思っているのは、多くの素人の投資家がやるようにお金を一種類の資産に入れたままにしておくと、その資産の市場からお金が流れだしたときに自分のお金も失ってしまうかもしれないからだ。


書籍『金持ち父さんの大金持ちの陰謀』より

次の動画では、ファイナンシャル教育が身に付いている人は、どのような観点で資産を選んでいるかをお話ししよう。

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