投資家コース:No14-2「簡単にわかるファイナンシャル・リテラシー」
~二人の財務諸表を同時に見ると見えてくる~
洗練された投資家は少なくとも自分の財務諸表と別の人の財務諸表を同時に見なくてはいけない。なぜなら自分の支出は誰か別の人の収入で、負債はどれも誰か別の人の資産だからだ。
例えば、あなたが住宅ローンで持ち家を購入した場合には、あなたの財務諸表と銀行の財務諸表を同時に見るべきだ。その時、キャッシュフローは次のようになる。
あなたの勤労収入は住宅ローンを通して支出になる。一方、銀行はあなたの住宅ローンを通して銀行の収入になる。つまり、あなたの住宅ローンは、あなたの財布からお金を抜き取る負債であり、銀行は金庫にお金を運んできてくれる資産になる。
だから、あなたが賃貸住宅を誰かに貸したら、その賃貸住宅は借り手の財布からあなたの財布にお金を運んできてくれる資産になる。あなたが銀行になる。
このように、二人の財務諸表を同時に見ることで、全体像を見ることができるようになる。でも、普通の人はこのように見ない。だから、お金に苦労するのだ。
金持ち父さんはこのように言っていた。
「洗練された投資家は本当の姿をつかむために財務諸表から数字を読み、平均的な投資家の目には見えないものを見ることができる。ありがたいことに、君がきちんと時間を投資して、舞台裏で起こっている一部始終を学びさえすれば、投資のチャンスと大きな富、ほんの一握りの人しか見つけられない驚くほど大きい富をきっと見つけられる。
そして、なぜ金持ちがどんどん金持ちになる一方で、中流以下の人たちがせっせと働き、より多くの税金を払い、より借金の深みにはまっていくか、その本当の理由が見えてくるだろう。そういった真実がわかったところで、君は自分がクワドラントのどちらの側で活動したいか決めれば良い。大して難しいことじゃない。必要なのはちょっとした『時間』だけだ。」
「財務諸表の読み方を学ぶのは単調で退屈なプロセスだろう。特に習い始めは面白くもなんともない。だが、ありがたいことに、やっているうちにどんどんやさしくなるし、必要な時間も短縮される。やさしくなるだけではなく、前よりも多くの投資のチャンスが見えてくる。それも、考えることもなく、ほとんど自動的に見えてくるのだ…自転車に乗ったり、車を運転したりするのと全く同じように。」
投資家レッスン14
あなたは実際に自分の財務諸表を作り、それを常に最新のものにすると同時に、投資の対象となる会社や不動産の財務諸表を読む気があるか?
Yes or No
書籍『金持ち父さんの投資ガイド 入門編』より