フェイクマネー〜お金の授業No.7〜

お金の授業:No7「フェイクマネー」

1971年、当時のニクソン大統領が突然、米ドルと「金」の交換停止を発表しました。

アメリカは「金」の裏付けがなくても、米ドルを発行できるようになったのです。

そうなると、米ドルの信用が落ちて、米ドルは世界の基軸通貨ではなくなるはずでしたが、米ドルに変わる基軸通貨がなかったので、その後も米ドルが基軸通貨のように使われるようになりました。

現在、「金」のような貴金属などの有価物との交換が保証されていないのは米ドルだけではありません。日本円も含めた世界各国の通貨も同様です。このような通貨のことを「不換通貨」と呼びます。

政府は「金」のような貴金属などの有価物との交換が不要になるので、ある意味、政府はいくらでも紙幣を作り出すことができるようになりました。

実際に「お金」を産み出しているのは「信用創造」または「貨幣創造」と呼ばれる銀行システムです。

銀行は借り手の預金口座に貸出し金に相当する金額を入金記帳するだけで、何もないところから新たに預金通貨を生み出すことができます。「無」からお金を作り出すことができるのです。

銀行は借り手の口座に入金すると同時に、銀行の口座に貸出し金額相当のマイナスを記帳します。そして、借り手が返金すれば、そのマイナスが消えるだけです。何か価値のあるものが移動するわけではありません。

「金本位制」のような仕組みの場合には、「金」があるところから「お金」が作られるのでわかりやすいですが、現在のお金は、何もないところから、銀行のマイナスからスタートするためわかりにくくなっています。

多くの人は、銀行は集めた預金の中から貸出しをしているように思っていますが、実は、銀行は預金がなくても貸し出しができるのです。そして、その瞬間に「お金」が産み出されるのです。

だから私は、現在の「お金」を「フェイクマネー」と呼びます。

そして、あなたが経済的自由を手に入れるためには、この「貨幣創造」のような金融に関する知識を得てファイナンシャルIQ(お金に関する知能)を高めることが必要なのです。

お金の歴史の授業は、これで終わりです。

次の動画では「あなたの財務諸表を理解する」の話をします。

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