投資家コース:No13-4「ファイナンシャル・リテラシーがリスクを減らす」
~財務諸表を読む力~
多くの場合、財務諸表の持つ力に気づいていない人が、持っているお金が一番少なくて、抱えているお金の問題が一番大きい。医者がレントゲン写真を使って私たちの骨格を見るように、財務諸表は私たちに投資の中身を見せてくれる。そして、そこにある真実、事実、嘘、チャンス、リスクを教えてくれる。
では、財務諸表が教えてくれることとは何なのだろうか?
まず、お金に関する読み書きができて財務諸表が読めると、いわば『重要事項チェックリスト』が手に入る。そのリストを一つづつ確認すれば、そのビジネスのどこに問題があるか見極めることができる。ほとんどの投資家は株価を見て、次に株のPER、つまり株価収益率を見る。株価収益率は外側にいる人間のための指標だ。内側にいる人間はこの『重要事項チェックリスト』を見ている。
投資対象の財務諸表を自分個人の財務諸表の上に重ね合わせてみると、自分が投資しようとしているビジネスや株、投資信託、債券、不動産などの財務諸表が、自分の財務諸表にどんな影響を与えるがわかるようになる。つまり、自分が望む将来に有益な投資なのかどうを判断できる。それに、この2つを重ねをすれば、自分の今の経済力でどうやったらその投資が可能かを分析することもできる。
また、財務諸表を読むことができれば、非常に短い時間で、それがお金を生み出すか損をするかがわかる。もし私にお金を儲けさせてくれないなら、そんな投資を買う必要はないだろう。
財務諸表を読む力は投資家として身に付けるべき基本の1つだ。もっとお金を儲けようと思って投資をするのは愚か者の投資プランだ。あなたが投資する理由はただ1つ、勤労所得を不労所得やポートフォリオ所得に変える資産を獲得することだ。そうすればお金はいくらでも手に入れられるようになる。そして、そのためには財務諸表を読む力が絶対に必要なのだ。
財務諸表を読むのは決して難しいことではない。あなたがわかりそうなところから始めればいい。あなたが目指すのは会計士ではないのだから、細かいことにこだわる必要はない。必要なのはキャッシュフローを把握することだ。
書籍『金持ち父さんの投資ガイド 入門編』より