勝ち組は貯金しない

勝ち組は貯金しない

いわゆる金融の専門家の常識では、経済的自立のためには貯金をするのが最善だと言われていますが、私はそうは思いません。

実は、私は貯蓄家こそ負け組だと思っています。人生の楽しみにはお金を使うべきだと思いますが、裕福に暮らせるようになってお金持ちになりたいのであれば、賢くお金を使うべきだと思います。

もちろん、私が貯蓄家は負け組だと言っているのは、ある特定の種類の貯蓄家のことを言っているのですが…。

その貯蓄家とは、低金利の口座にお金を入れ、そのお金が定年までには魔法のように必要な生活費全部に増えることを願っているような人のことです。

もし、金融の「専門家」が、私たちが無自覚で無知であるために、経済的な安心を手に入れる唯一の方法は、支出を減らし、使うものを減らし、本当に欲しいものを切り詰めた生活をすることだと考えているならば、それは私にとってもあなたにとっても侮辱的なことです。

貯金をしてもうまくいくわけではなく、それはお金に関する悪いアドバイスです。

それは「怠惰な」アドバイスです。もっともらしく聞こえ、批判されないので、アドバイザーにとっては安全なアドバイスです。アドバイザーは考える必要がないので、怠惰なアドバイスなのです。

ほとんどすべてからお金を搾取されるように構築されている経済では、貯蓄にはほとんど価値がありません。インフレから税金、確定拠出年金の隠れた手数料に至るまで、システムは貯蓄家に不利になるようにつくられています。

とはいえ、貯蓄をするべきですが、それはお金を使うために他なりません。

今日の経済では、お金を使う人が勝者です。これは、適切な場所に、適切な投資にお金を使う方法を知っている人のことを意味します。それを説明するために、簡単な話をしましょう。

もしあなたが映画「マネー・ショート」を見ていないのであれば是非ご覧下さい。この映画は、2008年の大暴落の直前に住宅市場に反対に賭けをしたトレーダーの実話に基づいています。

当時、誰もがこの人たちはクレイジーだと思っていました。

ある素晴らしいシーンでは、ヘッジファンド「サイオン・キャピタル」の創設者であるトレーダーのマイケル・バリー氏が、ゴールドマン・サックスが保有する住宅市場のCDO(債務担保証券)に対する1億ドルのスワップを売却するように説得して立ち去る場面が描かれています。ゴールドマンのメンバーは、赤ん坊から金を奪ったと思って大笑いしています。しかし、結局最後に微笑んだのはバリー氏だったのです。2000年代半ばの熱気球のように膨れ上がった住宅市場に逆張りした人々も同様でした。

住宅市場に逆張りしてお金を投資した人々は、何十億ドルも儲けたのです。貯蓄していた人や、住宅の価値は必ず上がると信じていた人は大損をしました。

本質的には、(適切な投資に)費やすことを厭わなかった人々が勝ち、失ったものにしがみついていた人々が負けたのです。

投資家が勝者である理由

お金は何かに裏打ちされているわけではありません。電流のように、常に動いている通貨なのです。今日、お金はあるセクターから別のセクターへと流れています。お金の動きが止まってしまえば死んでしまいます。あなたのお金も動いていなければ日々価値を失い、ゆっくりと死んでいくのです。

金持ちは、市場のお金がどこで動いているかを把握する重要性を知っており、それに応じてお金を動かさなければなりません。これが、大きな空売りをしたトレーダーが目を見張るような利益を上げた理由です。彼らは注意を払い、お金がどこで動いているかを見ていたのです。しかし、それ以上に、彼らはお金が流れていく先の資産を見て、それらの資産の価値がゴミであることを理解していました。彼らは、カーブの行き着く先を見据え、他の人も最終的にお金を移動させる所にお金を動かしていました。そして、お金の世界では、先に来た者は常にごちそうを食べ、最後に来た者は常に飢えているのです。

これは一般人には理解しがたいことです。我々は賢明に貯金するように代々教えられてきました。今日では、そのアドバイスは、もはや賢明なアドバイスではありません。今日では、経済的に出世したいのであれば、賢くお金を使う方法を知らなければなりません。

賢くお金を使うには、もちろん経済的な教養が欠かせません。そして、経済的な教養を身につけるためには金融教育が必要です。市場を見て理解するためには、お金に関する言葉と市場を動かす概念を理解しなければなりません。一生懸命勉強しましょう。

良いニュースは、情報が豊富にあるということです。あなたがすべきことは、それらの情報を見ることだけです。貯蓄のことはあまり考えず、もっと投資することについて考え始めましょう。この微妙なマインドシフトが、あなたの経済的な未来に大きな違いをもたらします。

投資 VS 貯金のポイントに到達する方法

貯金で苦労する人は沢山います。そのため、貯金してお金を使えるようにしようという考えが、さらに難しく感じるのは当然のことです。その理由は、私たちは未来ではなく、現在に集中するように刷り込まれているからです。それはDNAにまで組み込まれています。なぜなら、今日食べないと明日死ぬという時代の中で進化したからです。そのため、今日お金があれば、それを使いたいと思うのです。そして、貯金をしているとお金に執着してしまい、万が一お金が必要になった時でも一切使いたくなくなってしまうのです。

ナショナル・パブリック・ラジオのクリス・アーノルドが指摘するように、この進化の習慣を断ち切る最善の方法は、自動的に貯金することです。

アーノルドは、確定拠出年金を自動化することについて話しています。もちろん、それは私たちが推奨することではありません。むしろ、資産運用のための貯金を可能な限り自動化したいのです。

キムと私が若かった頃、私たちは経理のベティを雇ってこれを行いました。毎月、生活費を支払うことができなくても、ベティに投資用のお金を先に取っておいてもらうようにお願いしていました。ベティは気乗りしていませんでしたが、やってくれていました。そのため、私たちはわざわざ考える必要もなく、コンピューターの代わりにベティが自動的にやってくれたのです。

今日では、多くのアプリやサービスを使って同じことができるようになりました。ベティにお金を払う必要もなければ、自分の無責任さを訴えるベティの声を聞く必要もありません。

良いニュースは、いつの間にかお金が貯まっているということです。今後何年もキャッシュフローをもたらし、さらに多くの資産の購入を可能にする資産にお金を使いましょう。それが経済的自立と自由への確実な道なのです。

Robert Kiyosaki

ロバート・キヨサキ

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