恐怖心に勝つ
恐怖心は、人生における最大の障壁の一つです。
発達認知神経科学の学術誌「Developmental Cognitive Neuroscience」のオンライン版に掲載された研究結果によると、
子供は、褒め方次第で
・硬直マインドセット
(自分の才能や能力は、努力をしても向上しないと考えるマインドセット)
・成長マインドセット
(自分の才能や能力は、経験や努力によって向上できると考えるマインドセット)
のいずれかを身に付けるようになるそうです。
子供を賢いと褒めることは、良いことだと思うかもしれませんが、硬直マインドセットを植え付けるという問題になり得ます。
子どもたちが、意識的または無意識のうちに、「努力しなくても、私は生まれつき賢いのだ」と考えるようになるかもしれないからです。
「才能がある」という表現は、本人が努力しなくてもすでに持っている素質を指します。
「才能」とは、彼らが挑戦や失敗を恐れるようになるまでは、喜ばしいものですが、「天才」や「秀才」というレッテルにとらわれていると、学び続けることを忘れてしまいます。
これはまさに、学校、そして多くの親や雇用主がやっていることでもあります。
「きみは賢くて優秀だ」と従業員を褒めているつもりでも、その行動は実際のところ、褒めた部分だけをあなたが気にしている印象を与えています。つまり、ミスしないように、と言っているようなものなので結果的に恐怖心を与えることにつながります。
人前で話すことの恐怖は、多くの人にとって、死よりも大きな恐怖であると言われています。
精神科医によると、人前で話すことの恐怖の原因は、
- 仲間外れにされること
- 目立つこと
- 批判にさらされること
- バカにされること
- 追放されること
これらへの恐怖だそうです。
他の人と違うことへの恐れや恐怖は、新たな問題解決方法を探求することの妨げとなります。
みんなが「安全第一でいこう」と言う一番の理由は、恐怖心からです。
それは、スポーツ、人間関係、キャリア、お金など、あらゆるものに当てはまります。
「仲間外れにされる」と同種類の恐怖心が原因で、人々は一般的に受け入れられている意見や流行に従い、以下のことに疑問を抱かなくなるのです。
「家は資産だ」
「請求書とりまとめローンで借金を減らそう」
「もっと働け」
「昇進だ」
私は失敗を避けてきたわけではありません。
なので、私の投資のすべてが成功したわけではありません。
しかし、恐怖に負けていたら、今の私はいなかったでしょう。
運用成績が悪かった投資に脅かされて、時としてリスクを伴う資産を得るまでの行程や、果敢にチャンスを探し求めることから逃げてしまっていたら、今の私はなかったでしょう。
そうであれば今のように、経済的に自立した生活を送ることもできなかったでしょう。
重要なことは、私は失敗から学んだということです。
失敗したから昔やっていたことに戻ろうというのではなく、失敗したから次こそはさらに高いレベルに到達できるよう、失敗を活力に変えたのです。
ロバート・キヨサキ